はじめまして、ふかだです

本とか映画とかその他とか。ちゃんと生きてたなーって、思えるように

【本】medium霊媒探偵城塚翡翠

はじめまして、ふかだです。

 

2021年1冊目。

8カ月くらい前に後輩に借りて放置していた「medium」やっと読めました。

ぐいぐい読み進めてしまって、3~4時間くらいで読了。

 

登場人物の香月史郎は推理作家。

たまに警察に相談されて事件解決のお手伝いをしており、ある日、超美少女の城塚翡翠と出会います。

翡翠霊媒で、死者の声を聞くことができるのですが、もちろん証言に証拠能力はありません。

ということで、翡翠が聞いた死者の話などを元に逆から論理を構築し、2人で事件の解決にあたります。

3つの殺人事件の解決と同時並行で起こる若い女性を狙った連続殺人。

犯人の魔の手は、翡翠にも及ぼうとしていて……

 

というようなあらすじ。(以下、ネタバレあり)

 

 

 

 

 

「香月=鶴丘」というオチはありそうだなって思ってたけど、そこからのもう一捻りは読めなかったなぁ。

 

霊媒とかある世界観なんだな。まぁゾンビでクローズドサークル作る作品もあることだし」って発想で何の違和感もなく読み進めた後で、ゴリゴリの理詰めでの解決編を見せつけられるのは大変爽快で、ページを捲る手が止まりませんでした。

変化球と見せかけて正統派です。

 

ミステリは色々な手法がやりつくされた感もあるのですが、新しい展開が常に出てくるので、人間の想像力ってすごいというか、小説家の方の脳ってすごいですよねぇ。

 

やっと後輩に本を返却できます。

今年は年間50冊くらい読めるといいなぁ。

 

 

【映画】魔女がいっぱい「後味の微妙なハッピーエンド映画」(ネタバレあり)

 

はじめまして、ふかだです。

 

アン・ハサウェイ主演の「魔女がいっぱい」を見ました。

いつ見てもアン・ハサウェイ様は目が大きくてゴージャスで素敵。


★ざっくり紹介するなら

  • 対象年齢がよく分からないダーク系ファンタジー映画
  • 口は裂け、鼻の穴が20センチ規模になり、髪がなく頭皮は荒れ、手が鉤爪になるアン・ハサウェイ様を拝める唯一無二の映画
  • 後味の微妙なハッピーエンド映画

 

★ざっくりストーリー(※ネタバレあり)

主人公(語り手)の僕は、クリスマスの夜に交通事故で両親を亡くし、優しくて逞しいおばあちゃん(オクタヴィア・スペンサー、素敵)と暮らし始める。

 

ある日、雑貨屋さんでおかしな女性(魔女)に遭遇。

おばあちゃんに話すと、「それは魔女だ!小さい頃、友達のアリスも鶏にされた!逃げないと!」

 

この世界には、邪悪で醜い魔女たちが人間に紛れて暮らしている。魔女は子供が大嫌いで、子供たちを根絶するべく、大魔女と各地で集会を開いているらしいことが分かる。

 

魔女から逃れるために、僕とおばあちゃん、ネズミのデイジー(ペット)はしばし高級リゾートホテルに避難することに。

 

が、僕が忍び込んだホテルの会議室で、まさかの魔女の集会が開催される。

隠れて見てたら、先ほど友達になったばかりの食いしん坊がネズミにされる。

結局僕も見つかってしまい、大魔女に直々にネズミになる薬を投与され、ネズミになってしまう。

ペットのデイジーも、元は人間の女の子だったことが判明する。

 

部屋にいるおばあちゃんに合流し、ネズミ3匹&おばあちゃんvs魔女軍団の対決編へ。

(ここが結構ドキドキできて笑えておもしろい)

 

人間をネズミにする薬を逆に魔女たちに飲ませることに成功し、無事勝利を収める。

が、人間に戻る方法は終ぞ分からず、3人はネズミの体で生きていくことに。

 

最後は主人公(ネズミ)とおばあちゃんが、子供たちへ自身の体験を語り、魔女に気をつけろ!と啓発するところで終わり。

 

 

★感想

原作知らずに観に行った人は全員思うんじゃないだろうか。

 

人間に戻れないんか!!!

てか、運命受け入れるの早いな!!!!

 

そんなこんなで「世界観やストーリーは面白い。アン・ハサウェイのはっちゃけっぷりも楽しいし、全体的に明るいトーンで良い。でも……」って一抹のモヤモヤが残る作品だった。

 

私は映画を見ながら結末を想像していて、「ハッピーエンドであってほしい」という都合で「考えられる最善の落とし所」を想定し、当然のようにそこに着地するものだと思い込んでいる。大魔女を倒せば魔法が解けると思ってたし、メアリーはブロンドの可愛い女の子だと思ってた。

 

それをあっさりと、当然のように裏切られたのでモヤモヤが残ったし、ストーリーがちゃんと終わっていない感じがするのである。(正直、今もしている)

でもさ、「魔女を倒せば魔法が解ける」なんて提示されてないんだよね。。

「そのままネズミエンド」でも何の支障も違和感もないのである、本来。

 


この作品のベースにあるのは、「人生って何が起こるか分かんないし、コントロールもできないんすよ」「それが神のご意思ですし」っていう諦念というか達観なのだと思う。

 

もうネズミとして生きていくしかねぇなと覚悟を決め、「ネズミのまま頑張るよ。一緒に年を取って、一緒に死のう」と言う主人公への、おばあちゃんの


「運が良ければね」

 

という返しと表情にそれが凝縮されている。

 

そもそも、愛する家族と長く一緒に歳を取れること自体が偶然であり、幸せなことなのだと思わされる。明日、事故に遭うかもしれないし、病気になるかもしれないし、ネズミにされちゃうかもしれないし。。。

 

ネズミたちも、現実をなんやかんやで受け入れて楽しんでいるようなので、ハッピーエンドと言えばハッピーエンドに見えるのだけど……私としては、やっぱり、人間に戻ってほしかったなぁ…………と、この作品を思い出すごとに思うに違いない。